
《プロ直伝》すっきりが続く、衣類の整理・収納術
下着の知識
お手持ちのお洋服や下着の整理・収納、うまくできていますか?
「服を捨てるのが苦手で、かなりあふれていて…」「収納がうまくできず、同じようなものを何着も買ってしまう…」「整頓してもその状態が長続きしない」「靴下の片方がないことがよくある…」など、実際に聞いてみると、思わず“あるある!”と共感してしまうお声がたくさん!意外と自分流になっていたり、正しい方法がわからなかったりする方が多いようです。そこで、すっきりが続く整理・収納のコツについて、整理収納アドバイザーの正垣里恵さんに教えてもらいました!
まずは、整理・収納の基本的な考え方をしっかりマスターしましょう!
ライターM 正垣さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが、整理・収納と聞くと、家にあるモノをキレイに片付けるイメージがあるんですが、実際はどういう意味なのでしょうか?
正垣さん はい、実は片付けは、整理・収納とは別なんです。
それぞれの基本的な考え方は
・整理:モノを使うか使わないかに分ける
・収納:モノの住所を決めて収める
・片付け:モノを使ったら戻す
つまり、整理・収納は土台づくり、片付け・掃除は土台ができたあとの日常の習慣ということです。なかなか片付かなかったり、片付けてもすぐに散らかってしまったりするのは、この土台づくりがうまくできていないことが原因なんです。
ライターM なるほど。片付かない理由がなんとなくわかってきた気がしました!
正垣さん 土台づくりにあたる、整理・収納の基本の手順は、“分ける → 減らす → 収める”です。分けて減らすのが整理、その後、全てのモノに住所を決めて収めるのが収納なんですよ 。
ライターM まずはこの考え方をきちんとマスターしておくことが、大事ですね!
<衣類の整理>“着るか、着ないか”で、ぱぱっと分けるのがポイント
ライターM それでは分けて減らしていく、衣類の整理について教えてください。
正垣さん はい。衣類を整理するときは、“着るか、着ないか”で分けていきます。
分ける手順は
・着る服は収めて、着ない服は手放す。
・迷う服で、とても気に入っていて、持っていること自体が心地よい服は収めておく。一方で、サイズが合わなくなったり、汚れていたりして、仕方なく持っている服は手放す。
・今はすぐに判断できない服は、一時保管する。
というように分けていきます。じっくり考えながらやるのではなく、ぱぱっと分けていくのがポイントです!
ライターM 迷ったものはどうやって一時保管するのがいいのでしょうか?
正垣さん 押し入れやクローゼットの隅っこなど、見えない場所に一時保管スペースを作って置いておくのがおすすめです。そして半年後や一年後にまた見直してから、着ない服は手放しましょう。
ライターM 一時保管スペースはいいですね!ただ…私はたくさん服があるので、分けるだけでもとても時間がかかりそうで…。
正垣さん 一度に全部やろうとするのではなく、今日はタンスの一部、今日は引出し一つ、というように小さな部分から一つずつ、時間や時期を決めてやるのがいいと思いますよ。私は下着なら6月と12月を見直し月と決めて、入れ替えています。あと、“1日5分の整理”のように、できることから試してみるのもいいですね。
ライターM それならできそうです!衣類を手放すコツって他にあるのでしょうか?
正垣さん 高かったものや、やせたら着たいものなど、手放しづらいものもありますよね。そんなときは、自分の適正量を決めると手放しやすくなりますよ。たとえば、シャツやワンピース、靴下やストッキングなど、まずは5枚ずつ持つと決めて、それ以外のものは一時保管スペースに置いておきます。そして、実際に使ってみて、足りなければ足してみる。余ればもう少し減らしてみる。こうして整理していくうちに、自分に本当に必要なモノや量が自然に見つかりますよ。
ライターM いきなり手放してしまうのではなく、それだと試しやすいですね!
正垣さん 似た色やデザインの洋服を買ってしまいがちな方は、よく使う定番のものを選ぶといいですよ。あとは整理をする際に、収納ケースなどの収納用品を増やさないことも大事ですね。服が減っていくと収納ケースも余ってきますし、“入る分だけ持つ”という考え方で、整理に向き合っていくといいですね。
ライターM 確かにおっしゃる通りですね。収納ケースを買うところから始めてしまいそうでした…!
<衣類の収納>出し入れしやすく、すっきり見せるのがポイント
ライターM では、整理した衣類を収めていく、衣類の収納について教えてください。
正垣さん はい。収納のポイントは3つあります。順番にご紹介しますね。
|①ひと目でわかりやすい!すっきり見せる収納
収納用品を同じものに揃えると、クローゼットがかなり見やすくなります。たとえばハンガーを統一するだけでも変わりますよ。あとはアイテムごとに色別に分けると選びやすいですね。また、洗濯済みのものや、季節ごとのアイテムの区切りに、目印をつけるのもおすすめです。我が家のクローゼットでは、写真のようなお花のチャームを使っています。いい香りのするサシェなどを使ってもいいですね。
|②家族の誰でもわかる!出し入れしやすい収納
衣類の収納は、使うところに使うモノを収めるのが原則です。たとえば家族全員分の下着は、脱衣場の使いやすい位置へ、引き出し棚を置いて収めていきます。
それぞれの引き出しへ、収納するアイテムごとにラベルを貼ると、何が収まっているのか一目瞭然ですね。たとえば、半袖か長袖かいちいち出さなくてもわかるようにしておけば、間違わずに取り出せますよね。
あと、収納場所がわかっていると誰でも片付けられるので、家族みんなで家事分担ができますよ。
|③「立てる」「掛ける」「仕切る」を上手に使った収納
具体的な衣類の収納方法として、「立てる」「掛ける」「仕切る」の3つがあります。
立てる>>ニットやTシャツのようなトップスは、立てて引き出しに収納すればひと目で選ぶことができます。
掛ける>>しわになりやすいYシャツやワンピース、コートなどは掛けて収納します。
仕切る>>引き出しの中で散らかりやすい下着などは、仕切りを作って立てて収納すると取り出しやすくなります。
正垣さん 収納も同じく一気にやろう…!と思うのではなく、衣類の整理ができたら、手をつけられそうなところからやってみてくださいね。下着のたたみ方については、記事の最後に紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。
ライターM こんな風にモノの場所が決まって、キレイに収納されていたら、「この状態を続けよう!」と、片付けやお掃除を頑張れそうな気がします。貴重なお話をありがとうございました。最後に、これから衣類の整理・収納を始められる方へ、一言お願いします。
正垣さん 整理・収納で一番大切なのは、その服を着るか、着ないか判断することです。まず、整理を始める前に、3年後はどんな自分になりたいか、その自分に合う服をイメージしてみましょう。そうすると、自分の着たい服を選びやすくなります。あとは少しの勇気をもって、着ない服を手放していく。この積み重ねで、だんだんと自分に必要なモノがわかってきて、なりたい自分に近づけるようになっていきます。ぜひ少しずつ、できるところから試してみてくださいね。
(プロフィール)
整理収納アドバイザー 正垣里恵さん
「アクセサリーとお片づけの教室」*おうちカフェ生活*を主宰。
下着メーカーでのパタンナー・デザイナーの経験を活かし、おうちサロンで2012年よりアクセサリー教室を開始。その後、整理収納アドバイザーとして、お片付け教室を運営し、学校や企業でも多くのワークショップやセミナーを行う。また、“得意なことを自分らしい働き方で仕事にしたい方のお手伝いがしたい”、そんな思いから、2020年よりおうち起業をしたい女性向けにも活動を行っている。/保有資格:整理収納アドバイザー1級 ほか。
※ *おうちカフェ生活*ホームページ
※ この記事は正垣里恵さん監修のもとに作成しています。