
《プロ直伝》備えて安心!備蓄のコツと、防災に役立つ下着の選び方
ライフステージ
「災害に備えたい。でも、防災って何から始めればいいの?」「防災対策がちゃんとできているのか不安…」そう感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、防災のプロにインタビュー。楽しみながら続ける防災を提唱する“おもしろ防災アドバイザー”の南あきこさんに、家庭での備蓄のコツや、防災にも役立つ下着の選び方を聞いてみました!
普段の暮らしの中で簡単にできる、備蓄のコツ!

― 本日はよろしくお願いします!
防災対策はきちんとやっておかないと。とは思っているんですが……
南さん そうですね。「防災対策をしよう!」と強く意識してしまうと、はじめるのも億劫になりますし、続けるのも大変なんですよね。どなたでも、今すぐにはじめられる備蓄のコツは「普段使うものを、ちょっと多めに買っておく」ということです。トイレットペーパーなどの日用品だけでなく、食料品も同じです。
非常食や備蓄食として販売されているものはもちろん有効ですが、私がおすすめするのは、普段から食べ慣れているものをいつもの買い物でちょこちょこ買い、多めにストックしておくこと。それがそのまま、いざという時の備蓄になります。カップ麺や缶詰にこだわる必要もなく、簡単調理のレトルトでもOK。
― なるほど!特別なものを用意しなくてもいいんですね。
南さん むしろ普段食べなれていない非常食は、いざ食べようとすると口に合わないということもありますから、この方法ならその点でも安心です。そして、それを普段からどんどん使っていき、買い足していく。まずはそれで十分です。常温保存できるもので、消費期限が3ヶ月~6ヶ月以上あるものなら、何でもOK。あまり難しく考えず、一部はお菓子でもいいと思います。加熱処理をしなくても食べられるものなら、さらにいいですね。いつもの買い物でどんどん入れ替えて行けば、難しい期限管理や莫大な保存場所も要りません。
― 忙しいときや、体調がよくないときにも使えて、普段の生活もちょっとラクになりそうですね!
さっそくはじめてみようと思います!
普段の下着も、意識するだけで防災に
南さん 普段身につける下着や部屋着の選び方も同じで、少し意識するだけで防災につながるんですよ。たとえば、夜眠るときにつけるナイトブラ。実はこれも立派な防災対策になっているんです。
― ナイトブラが防災…どういうことでしょう!?
南さん 突然の災害時は、着の身着のままで逃げることになりますよね。ナイトブラを身につけて眠っていれば、着替えることなくすぐに家を飛び出して避難することができます。ちょっとしたことのように思えるかもしれませんが、結構大切なことなんです。
― なるほど。そのまま避難所に行くことも考えると、ブラはつけて出たくなりますね。
南さん そうですね。それと、エアコンのない避難所で少しでも快適に過ごせるように、寒い時期はあたたかい下着やパジャマ、暑い時期は涼しい下着やパジャマというように、季節に合ったものを身につけておくことも、防災対策になっているといえます。
― 特別なことをしなくてもできる防災ってたくさんあるんですね。防災がぐっと身近になりました!
避難所で役立つ下着の選び方
― ナイトブラのほかにも、防災に役立つ下着ってあるのでしょうか?
南さん もちろんありますよ。特に避難所では、自宅とは違い硬い床の上で長時間同じ体勢で過ごすことが多くなったり、こまめに洗濯ができなくなったり、人目が気になったり。そんな生活でも、できるだけ普段と同じように快適で衛生的に過ごせるような下着を選んでおけば、少し不安を取り除くことができますよね。
そんな避難所生活で役立つ下着の選び方を紹介していきます。
■かさばらない下着
南さん 災害によって家を離れる必要があるとき、そもそもかさばる下着ばかりだとほかの必要なものが入らなくなってしまいます。なるべくかさばらず、型崩れなども気にしなくてよいものがあると便利です。
たとえばコチラ
・ウイング 【使いきりインナー】AnyAny
紙素材(パルプ約40%)と不織布でつくった、使い切りタイプのハーフトップとショーツのセット。コンパクトで、洗濯ができない環境でも衛生的に使えます。紙パンツとは思えないほどの伸縮性で、ボディにここちよくフィットします。
メンズ用やショーツのみのセットもご用意しております。 ここからチェック 》
・YOJOY つけているほうがここちよいブラ
本体や内蔵のカップ部・土台・バックに、やわらかく伸びる素材を使用した、ラクなつけごこちのノンワイヤーブラです。型崩れなどを気にすることなく、軽く丸めてコンパクトにたためます。ほどよくバストシルエットをととのえてくれて、ムレにくいのもポイントです。
■性別が分かりにくい下着
南さん 異性の目に触れやすい公共の場所で下着を干す可能性も考慮して、性別が分からないユニセックスな下着をおすすめします。形だけでなく、色も黒などのベーシックなものが無難ですね。
たとえばコチラ
・ワコールメン 【beatiful people コラボ】PANTS HOLIC ボクサーパンツ(前閉じ)
適度なフィット感と縫い目の少ない立体成型、やさしい肌あたりのオーガニック綿混素材で、男性でも女性でもここちよくはけるボクサーパンツ。"one size fits everyone"をコンセプトにした、S~LLサイズまでワンサイズの商品です。※レディスは、S〜3Lサイズ (ヒップサイズ82cm〜110cm)が目安。
■からだをしめつけない下着
南さん 硬い床の上で同じ姿勢で過ごしがちな避難所生活はもちろん、不便を強いられる自宅避難においても、ちょっとしたことが大きなストレスとなってしまいます……。下着のしめつけもそのひとつ。できるだけラクな下着を選ぶことが大切です。
たとえばコチラ
・ワコール GOCOCi(ゴコチ)ハーフトップ
立体感と厚みのある、左右一体型のピーナッツ型パッドが、バストトップを安定させて上向きで立体的なバストシルエットに。ワイヤーもホックもないハーフトップ型なので、リラックスして過ごしやすくなっています。べたつきにくく通気性がよい速乾タイプ。
・ウイング 【シンクロブラトップ】カップ付きインナー
こちらは、バスト部分やバック部分にアンダーゴムを使わず、しめつけ感を少なくしたブラトップです。アンダーゴムの代わりにストレッチ素材を使用することで、動いてもズレ上がりにくく快適な着ごこちに。キレイなシルエットにととのえてくれるのに、下着感がないのもうれしいポイント。
■シーズンを通して着られる肌着
南さん 一番よいのは季節に合った下着を用意することですが、寒い季節も暑い季節も兼用できる下着を用意しておくのも、かしこい防災対策です。暑いときは1枚で、寒いときはほかの下着と重ねて使うと、体温調節ができますよね。素材は季節を選ばない綿素材がおすすめです。
たとえばコチラ
・YOJOY オーガニックコットン100% トップス(2分袖)
着ごこちのよいオーガニックコットン100%素材の下着です。目の細かい上質な光沢感としなやかな風合いは、超長綿ならではの肌ざわり。脇接ぎをなくし、裾や肩・そでの縫製・ブランドネーム・品質表示ネームを製品表側に出すなど、少しでもストレスなく着られるよう工夫しています。
南さん 非常時を少し意識した下着を準備しておくと、いざというときに心強いですよ。ほかにも、洗濯できる回数が減るので、ナプキンやおりものシートがあると、快適さも衛生面もアップします。
また、まわりの人に下着を見せずに干せるピンチハンガーと目隠し用タオルなどが用意できるとより安心です。タオルの代わりにポンチョ形状のレインコートやアルミシートもおすすめです。人目を気にせずに着替えられ、壁がない非常用トイレを使うときの目隠しとしても役立ちますよ。
― 簡単に用意できるものばかりですね!
防災は、今ある幸せを守るための備え
― 最後にメッセージをお願いします。
南さん 防災というと、「災害に立ち向かうためのもの!」というイメージが強いかもしれませんが、私はそこまで大げさに考える必要はないと思っています。では、防災とは何でしょうか。それは、災害が起きたとしても自分が被る被害を最小限にするため、そして今ある幸せを災害に壊されないように備えることです。
普段の生活の延長線上で、ちょっとだけ防災にも意識を向けて工夫をしてみてください。災害におびえながら過ごすのではなく、毎日を楽しみながら備えられたらいいですね。
― ありがとうございました!
(プロフィール)
おもしろ防災アドバイザー 南あきこさん
大阪府堺市出身、滋賀県在住。夫と息子2人の4人家族。様々な業種での勤務経験を経て2018年10月総合コンサルティング「コンシェルージュ」を設立。整理収納アドバイザー1級を取得し、同年整理収納と防災備蓄を融合させた防災備蓄収納1級プランナーを取得。その他、防災士やペット防災指導員など、防災にまつわる資格を多数取得し、日々の生活になじむ防災備蓄を楽しく広める活動をしている。
